校長のことば

校長のことば

2学期始業式 抜粋

・今年も、制限の多い夏休みとなってしまいました。現状は、1学期よりこれから迎える2学期の方が、数段厳しい状況です。デルタ株は、感染力が強く、若い人たちへの感染が拡大しています。20歳未満の感染者数は、夏休み始まる前の7/14から7/20までの1週間は3450人、全体の15%でした。1か月後、8/18~8/24の1週間は、6.6倍の3万427人で全体の20%を占めています。皆さんは、データや事実に基づいた行動できる「力」を身に付けてください。

 ・この後、担当の先生から2学期を迎えて、再度感染防止対策について話があります。前のような密閉・密集・密接の「3密」回避ではなく、ゼロ密の行動をとらなくてはいけない状況であることを、しっかり受け止めてください。

・さて今日は、イタリアの絵本作家レオ=レオニさんが描いた絵本「スイミー」の話をします。その絵本の内容から、皆さんに2つの事を伝えたいと思います。皆さんの中にも一度は読んだことがある人もいるかと思いますが、その絵本の内容を紹介します。頭の中で、絵を想像しながら聞いてください。

 ・・・・絵本の内容紹介・・・

・この絵本スイミーから、皆さんに伝えたい1つ目。

・2学期が始まります。1週間後には文化祭である東高祭を迎えます。クラス企画の準備では、誰が皆さんのクラスのスイミーですか。みなさんも、自分にしかない特徴を見出し、その特徴を生かし、周りの友達さえも生かす、そして自分の所属する集団を、みんなのためにリードする、そんなスイミーになってください。また、忘れてはいけないことは、スイミーをフォローする赤い兄弟たちの存在です。この兄弟たちがスイミーを支えてくれたから、大きな魚を追い出すことができたのです。みんなも、様々な場面でスイミーになったり、良きフォロアーの赤い魚になってください。

・そして皆さんに伝えたい2つ目。今、新聞やテレビなどでも「いじめ」問題が取り上げられえています。学校という小さな社会の、さらにその中の友達グループというとても小さな集団の中で、お互いの小さな違いを取り上げて、からかってみたり、みんなの言葉で言えば「いじって」みたりして盛り上がっている。本当にくだらなく、つまらないことです。でも、そのくだらなくつまらないことが、やがて仲間外れや暴力へとエスカレートし、ついにはいじめられた被害者を追い込み、心をずたずたにしてしまいます。

・今日紹介したスイミーが教えるように、小さな社会で窒息しているのではなく、視点を変えてもっと大きな面白い世界に目を向けて欲しいです。そして、仲間同士の個性を認め、尊重し、協力し合い、もっと素晴らしいものを創り出すスイミーのような存在になってください。

・自分の特徴を最大限活かし、周囲の人を活かしながらリードできるスイミーになるためには、一人一人が自立することです。

・最後に、2学期もいつもの3つ、

「時間と物の管理、挨拶、周りへの感謝」を忘れず、そして、「感染防止対策」と「命を大切にする」ことも忘れずに、学校生活を送ってください。

 

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1学期 終業式

●皆さん、おはようございます。校長の三ツ井です。

今年は、昨年度と違って、コロナウイルスの感染防止対策を徹底しながら、教育活動を行ってきました。生徒の皆さん一人ひとりが感染防止に協力してくれたおかげで、遠足や体育祭の行事が無事に出来たことに、感謝をしたいと思います。協力ありがとうございました。

 ワクチンの普及も始まりましたが、その感染状況は、変異したデルタ株に置き換わり、感染力の強さや若い年齢層での重篤化に変化しています。まだまだ予断を許せない状況が続いています。

君たち一人一人の行動が、この状況を早く収束させるのかどうかに繋がっていきます。他人ごとではなく、自分の事として捉えてください。

●また、夏休み中、コロナの状況だけでなく、様々な面で心が追い付かず、不安になることがあったら、相談することによって、解決することも沢山あります。自分一人で抱え込まず、話せる人または相談できる機関に頼ってください。

 

●さて、今日は1つ話をします。先日の避難訓練で、東日本大震災が発生して今年で10年になることを話しました。その巨大地震で福島にある原子力発電所で大きな事故が発生したことは、皆さんも知っていることと思いますが、今日は、その話をします。

 ●皆さんは、「フクシマフィフティー」と言う言葉を知っていますか。昨年映画にもなり、多くの賞を獲得しました。東日本大震災に伴う巨大津波で、すべての電源が失われ、水で原子炉を冷やす装置が壊れ、そして、水素爆発に見舞われ、放射線量が増加する中、福島第一原発に残り、命がけで復旧作業に取り組んだ吉田 まさお 所長以下69人の原発作業員の人達のことを言います。

●事故当日、福島原発には数百人の作業員が働いていました。原発が制御不能で暴走する中、吉田所長をはじめとした幹部たちは、これから将来がある若い作業員を次々と避難させ、原発の暴走を食い止めるために必要と思われる最低限の人達を残しながら、この大事故を最小限に食い止めることに成功しました。

 ●吉田所長は、当時の状況を「飛行機のコックピットの中で、全ての計器類がダメになって、目隠しされた状態で飛行機を着陸させるようなものだった。」と言っています。

 ●地震直後、激しい揺れが続く中、原子炉は緊急システムが作動し停止状態になりました。その後、大きな津波が福島第一原発を襲います。地震そのものに耐えた原子炉が、緊急電源を津波によって全て失ったことによって、コントロール不能となり暴走するに至ったのです。

 ●そんな中、所員達は、原子炉を冷やすための冷却給水用のパイプラインを作ったり、高い放射線が飛び交う中、建屋の中に入り、原子炉に通じるバルブを開いて、冷却水を注入するためのラインを確保したりしました。

 ●当時情報は錯そうし、政府からは、海水注入の中止命令がきました。吉田さんはその命令を拒否しましたが、再度の中止命令を予想し、あらかじめ担当者に「海水注入の中止命令が来た時、テレビ会議の中では海水注入の中止を指示するが、その命令には従わず、そのまま注入を続けるように。」と耳打ちをしました。このように、吉田所長以下、所員達の判断と素早い行動が、原発事故を最小限に留める結果となりました。

 ●今、福島原発は、廃炉に向けて厳しい道のりを歩んでいる状況です。その当時の彼らの献身的な働きがなかったら、私達は関東地方に住めなかったかも知れません。

 

●人間は、極限の場面におかれた時、強さと弱さの両方をさらけ出します。日頃は、目立たない人が土壇場で驚くような力を発揮したり、逆に普段は立派なことを口にする人間が、いざというときに情けない姿を露呈したりします。ぎりぎりの場面になると、人間は元々持っている「素の姿」をむき出しにしてしまうのかも知れません。

●皆さんも、これからの一生の中で何か大きな使命があるはずです。その使命が何であるか私にはわかりません。しかし、その使命を果たさねばならない時に、「フクシマフィフティー」のように自分の意志で大きな決断と実行ができる人間になってください。

 

●明日から始まる夏休みは、自分で正確な判断をし、行動しなければなりません。休み中も、いつもの3つ、「時間と物の管理、挨拶、周りへの感謝」を忘れず、そして、「感染防止対策」と「命を大切にする」ことも忘れずに行動してください。

 

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令和3年度 入学式 式辞

式 辞

暖かな日差しを受けて、校内の木々も日に日に緑を濃くしています。まさに春爛漫の希望に満ちた季節となりました。

この春の佳き日に、多くの保護者の皆様のご出席の下、埼玉県立川口東高等学校 第44回入学式が挙行できますことは、本校関係者一同大きな喜びであります。

 ただ今、入学を許可いたしました278名の新入生の皆さん、「入学おめでとう」。在校生、教職員一同、心から歓迎いたします。

本来であれば、多くの来賓の方々の祝福を受けての入学式であるべきはずが、昨年度から続く新型コロナウイルスの影響で、例年通りの入学式を行うことはできません。しかし、昨年は保護者の方も出席できず、教室で放送による入学式であったことを考えると、少しずつ前進していることは確かです。

当たり前の日常が当たり前でないことに気づかされることが、人生には時々起こります。10年前の東日本大震災もその一つです。しかし、人間は、どんな困難の中にあっても、希望を見出し、みんなで知恵を出し合い、前へと進む力を持っています。

 

さて、本校は昭和五十三年に創立され、今年で四十四年目を迎えます。建学以来、文武にわたって成果をあげ、その名声は先輩たちによって築かれてまいりました。

 先輩たちが築いてきた、川口東高校の文化を継承し、新しい文化を創り出すことを新入生の皆さんに期待しています。そこで、高校生活を送るにあたり、心がけて欲しい三つの事についてお話します。

一つ目は、「スモールステップを積み重ねる」ということです。

医師であり作家でもある鎌田實(みのる)さんは、「高望みはしないが、高望みはできる。小さな夢の連続の向こうに、高望みを実現するときが必ず来る。初めから高望みをしないだけ。」また、同じようなことを元大リーガーのイチロー選手は、「まず手の届く目標を立てて、それを一つ一つクリアしていけば、最初は手が届かないと思っていた目標もやがては手が届く」と、話していました。最初から全く手の届かない所に目標を置くのではなく、少しだけ背伸びをすれば手の届くところに目標を置きながら、スモールステップを積み重ねていくことが大事です。

 二つ目は、「可能性に挑戦する」ということです。

高校生活の三年間は、長い人生の中にあって、ほんのわずかな時間ですが、最も多感で、人生を左右するような貴重な時期でもあります。君たち一人一人には、優れた資質があり、鍛えれば大いに伸びる可能性があります。

この可能性を引き出すためには、良い習慣を身に付けることです。挨拶や笑顔を絶やさない習慣、時間やルールを守る習慣、勉強する習慣など、良い習慣をどれだけ身に付けるかが、その可能性を引き出すことに繋がっていきます。自分自身もまだ気づいていない自分を発見し、その優れた能力を開花させ、様々なことに挑戦して欲しいと思います。

 三つ目は「今やるべきことを考える」ということです。

言い換えれば、「今しかできないことは何か」を考え、物事の優先順位を間違わないということです。「一番大事なものを、大事にすることができる」ということでもあります。みなさんはどんな未来を夢見て、何を大事にしていこうと思っていますか。高校時代に自分の一番大事なものは何か、よく考えて見つける努力を惜しまないでください。高校はどこへ行ったかより、そこで何をしたかが大切です。

新入生の皆さん、3年間の高校生活の中で、一足飛びの高望みはしない、手の届く目標を絶えず設定し、その実現に向けての努力を習慣化させ、そしていつも「物事の優先順位を見定めて」少々の失敗に負けない強い心を持ち、最終的に皆さんの「高望み」を実現させてください。

 結びに、保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。心からお喜び申し上げます。

お子様は、本日から川口東高等学校の生徒となりました。この三年間は、青春の多感な時期であり、楽しみの多い反面、何かと心を悩まされることも多いかと思います。学校では、教職員一同、勉学や部活動等の指導に全力を尽くして参ります。しかし、指導の効果を高めるためには、ご家庭と学校との連携と協力が何よりも大切です。皆様の温かいご支援とご協力を重ねてお願い申し上げ、式辞といたします。

 

     令和三年四月八日

埼玉県立川口東高等学校長 三ツ井 良文

 

 

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1学期 始業式

皆さん、おはようございます。校長の三井です。さあいよいよ新学期が始まりました。

3年生は、勝負の1年間が始まります。今日から3年生の顔になってください。先日、闘病生活を終え、プールに戻ってきた池江璃花子選手が、話していたように、「つらくても しんどくても 努力は必ず報われる」そう言えるだけの努力をして、自分の進路実現に繋げてください。

 2年生は、学校の中心となります。一人一人が本校を支えているという気持ちで頑張ってください。本校の文化を引き継ぐのは2,3年生の皆さんです。

私は、皆さんに、機会があるごとに、「川口東高校の文化を継承し、新しい文化を創り出す」ことをお願いしてきました。ここで言う文化とは、川口東高校で生活しているみんなが、様々な活動を通して、受け継がれていくものであり、時には、目には見えない物だったりします。そして、次の世代へと引き継がれていくと、それは伝統となります。

ところで皆さんは、宮崎県の幸島(こうじま)にいるニホンザルが、芋を海水で洗い塩味を付けて食べる文化を身に付け有名になったことを知っていますか。

 今から約70年前、大学の研究グループが、幸島と言う小さな無人島で、人間の影響を受けない猿の生態や行動の研究を始めました。

研究者がいつものようにサツマイモなどの餌をあげているときでした。一頭のメスの猿が、砂浜にばらまいたサツマイモを掴んで突然波打ち際に走り始めました。当初、研究者たちは、このサルが他のサルと餌をめぐってトラブルになることを避けて、波打ち際で落ち着いて食べるために、こうした行動を取ったのだと思っていました。ところが、そのメスの猿は、サツマイモを食べる前に海水で洗い始めたのです。そして一通りサツマイモを洗い終えると、美味しそうにサツマイモを食べ始めたのです。

 これが後に「幸島のニホンザルのイモ洗い行動」として有名となる最初の観察でした。サツマイモを海水で洗うのは、泥汚れを落とすのが目的ではなく、芋に塩分を付けて更においしくさせるためだったのです。

 それから3年後、この雌のサルは、サツマイモと一緒に与えられていた小麦で新しい行動をしました。他のサルたちは、砂浜に落ちた小麦の一粒一粒を拾いながら食べていましたが、このメスの猿は、浜辺にまかれた小麦を砂ごと両手ですくい取り、浜辺に走ったのです。そして海に入り、砂ごと掴んだ小麦を海に投げ込みました。重い砂はあっという間に沈み、軽い小麦だけが海面に浮かびました。このメスの猿は、海面に浮かんだ小麦を両手ですくい取り、口に運んだのです。

 その後、この2つの行動は同年代の仲間に伝わり、やがては全ての年代へと広がりました。更には、子供や孫に受け継がれ、現在ではすべてのサルたちがこうした行動をするようになりました。これが人間以外で初めて観察された「動物文化」でした。

このように、世代を超えて受け継がれ、発展させてきた独自の文化があるように、本校にもアサヨミを初め、大切に守られ継承された文化があります。コロナ禍で何もできないと悲観するのではなく、君たちの手で新しい文化を創り出していく絶好の機会と捉えて学校生活を送ってください。

そして、いつもの3つ「しっかり挨拶ができる」「時間と物の管理ができる」「周りの人、自分と関わりのある人に感謝の気持ちが持てる」そんな生徒であることが川口東高校の文化であると言われるようにしていきましょう。

 

最後になりますが、まだまだ感染状況は改善されていません。昨日は、大阪での感染者数は、過去最多を更新。全国でも3400人を超えています。

今までは、10代、20代の感染が少なかった現状がありますが、今見つかっている変異ウイルスは、感染力も強く若い年代での発症が多く報告されています。この後、担当の先生から話がありますが、君たちの行動が未来の君たちを救います。今まで以上に気を引きしめて、感染対策に臨んでください。       以上

 

 

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